加賀 蒔絵作家

中山 幸比古

Yukihiko Nakayama

株式会社 賢祥堂美術

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私には、この手しかない。ひたすらに己の矜持を胸に、何十年と技を研鑽し続けた終わりなき、極みへの道へと 私には、この手しかない。ひたすらに己の矜持を胸に、何十年と技を研鑽し続けた終わりなき、極みへの道へと

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加賀 蒔絵作家
中山 幸比古 /
Yukihiko Nakayama
1956年
石川県加賀市山中町生まれ
1982年
重要無形文化財蒔絵技術技能士
1984年
石川県加賀市山中温泉南町で、
初代中山勇盛が設立(1922年)した蒔絵工房「中山工房」の主幹となる
1989年
有限会社 中山漆工を設立
1993年
皇太子妃雅子殿下ご婚礼鳳凰蒔絵入りピアノをカワイ楽器と共同制作
1995年
国宝春日大社本殿調度蒔絵職方選任。
以降、様々な寺社仏閣の修復・復元などを手がける
2000年
ニューヨークマンハッタンのNippon Clubにて初の海外個展
2003年
當麻寺菩薩面蒔絵職方選任
2008年
「しなやか漆皮」を開発(特許取得)
2010年
上海万博にて講演。華東師範大学の漆芸専任講師となる

職人の技craftsmanship

漆器ができるまで
漆器作りの工程は、大きく「木地」「塗り」「加飾」の3つに分けられます。
通常はそれぞれが異なる職人の手によって仕上げられ、一つの漆器ができあがるのですが、
中山幸彦は「塗り」と「加飾」両方の最高峰の技術を持ち合わせた類稀なる作家です。
木地
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01

木地

漆器の木地には、トチ、サクラ、ヒノキなどが使われます。
これらの天然木を6ヶ月〜数年かけて乾燥させて使用します。
お椀などの丸い器は、ろくろで木材を回しながら、ミノなどを使って削って成形していきます。
重箱などの四角いものは、木材を裁断し、組み立てて作ります。

塗り
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process
02

塗り

塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りに分けられます。
漆は気温や湿度に合わせて調合や乾燥時間を調節します。

  • 塗り01 - 下塗り
    塗り01 - 下塗り
    下塗りは、木地の形を整え、補強し、漆を塗ることが出来る状態にするための工程で、漆器の出来上がりを左右する重要な作業です。
  • 塗り02 - 中塗り
    塗り02 - 中塗り
    中塗りは、下塗りで出来上がった層をさらに固め、上塗りを綺麗に仕上げるための工程です。漆を使い分け、何度も塗り重ねていきます。
  • 塗り03 - 上塗り
    塗り03 - 上塗り
    上塗りは、塗りの仕上げの作業で、最上の品質の漆を用いて表面を均一に塗り上げ、鏡のように磨き上げていきます。

全ての工程において、塗り、乾燥、研ぎを何度も繰り返すため、
この塗りの工程だけで数ヶ月を要します。

加飾
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process
03

加飾

加飾は漆器制作の中でも、最も細やかな作業です。漆器の大きさ、装飾の細かさなどによっても異なりますが、この工程だけで数ヶ月を要します。漆器の加飾には、蒔絵や沈金、螺鈿など様々な技法があります。ここでは漆芸の代表的な技法である蒔絵についてご紹介します。蒔絵は、器の表面に細い筆を使って漆で絵や模様を描き、漆が固まる前に金や銀を蒔いて(まいて)模様をあらわす技法です。これは、奈良時代から行われてきた日本独自の加飾方法です。蒔絵作品は400年も前からヨーロッパなどを中心に様々な国に大量に輸出され、世界を魅了してきました。蒔絵には、研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵など様々な作り方があります。

  • 加飾01- 平蒔絵
    加飾01- 平蒔絵
    蒔絵の基本です。漆器の表面に漆で模様を描き、その上から金(銀、白金)粉を蒔きます。乾いたら上から漆を塗り、研ぎ上げて仕上げます。
  • 加飾02 - 研出蒔絵
    加飾02 - 研出蒔絵
    上塗りの前の段階の漆器に「平蒔絵」の要領で蒔絵を施し、乾いたら上塗りをします。それをさらに乾かし、木炭で研ぎ、磨き上げます。
  • 加飾03 - 高蒔絵
    加飾03 - 高蒔絵
    漆下地の上に、高蒔絵専用に調合した「高蒔漆」を用いて盛り上げ、その上から平蒔絵をしていく技法です。高蒔漆ではなく、錆漆を使う方法もあります。これによって、立体的な蒔絵装飾を施すことができます。

蒔絵の他には、漆器の表面を彫り、漆を流し込み、金を定着させる沈金や、薄くスライスした 白蝶貝や鮑などの貝殻を装飾する形に切り出して、漆器の表面に埋め込む螺鈿などの加飾方法があります。これらを組み合わせ、豪華絢爛な漆器ができあがります。

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株式会社 賢祥堂美術

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