加賀 蒔絵作家
Yukihiko Nakayama
株式会社 賢祥堂美術
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漆器の木地には、トチ、サクラ、ヒノキなどが使われます。
これらの天然木を6ヶ月〜数年かけて乾燥させて使用します。
お椀などの丸い器は、ろくろで木材を回しながら、ミノなどを使って削って成形していきます。
重箱などの四角いものは、木材を裁断し、組み立てて作ります。
塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りに分けられます。
漆は気温や湿度に合わせて調合や乾燥時間を調節します。
全ての工程において、塗り、乾燥、研ぎを何度も繰り返すため、
この塗りの工程だけで数ヶ月を要します。
加飾は漆器制作の中でも、最も細やかな作業です。漆器の大きさ、装飾の細かさなどによっても異なりますが、この工程だけで数ヶ月を要します。漆器の加飾には、蒔絵や沈金、螺鈿など様々な技法があります。ここでは漆芸の代表的な技法である蒔絵についてご紹介します。蒔絵は、器の表面に細い筆を使って漆で絵や模様を描き、漆が固まる前に金や銀を蒔いて(まいて)模様をあらわす技法です。これは、奈良時代から行われてきた日本独自の加飾方法です。蒔絵作品は400年も前からヨーロッパなどを中心に様々な国に大量に輸出され、世界を魅了してきました。蒔絵には、研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵など様々な作り方があります。
蒔絵の他には、漆器の表面を彫り、漆を流し込み、金を定着させる沈金や、薄くスライスした 白蝶貝や鮑などの貝殻を装飾する形に切り出して、漆器の表面に埋め込む螺鈿などの加飾方法があります。これらを組み合わせ、豪華絢爛な漆器ができあがります。
@Yukihiko Nakayama